ただ、そばにいて。
「どうする?」

 無言でテーブルの上のサラダを食べ続ける瑞希に鷹森は問う。


 どうする?
 まるでクイズの司会者みたいなセリフだな、と瑞希は吹き出しそうになった。

 どうしますか? 
 ここでリタイアしますか? 
 それとも世界一周をかけて、難問にチャレンジしますか?


 今日の自分はどこか違う。
 もしかすると、幸運を手にできるかもしれない。

 暗示にかかったように、テレビのなかの挑戦者はチャンス問題を選ぶ。

 問題をクリアして報酬を手にするのなんて、ほんのひと握りの人間だけだというのに。
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