エリート御曹司とお見合い恋愛!?
「珍しいな、お前が女の子連れてここに来るの」
人のいい笑みを浮かべて話しかけてくるが、倉木さんはどうも微妙な顔をしている。
「関係ないだろ」
「こっちが商談をまとめようと、必死で仕事をしてるというのに」
おどけた調子の男性の後ろで、女性は静かに待機していた。彼女もきっちりとスーツを着こなし、眼鏡をかけて落ち着いた雰囲気だ。
このふたりが仕事でここにいるのは明白だった。誰だろう、という疑問を浮かべながら、私は成り行きを見守る。
「それが、お前の仕事だろ。あんまり藤野さんの手を煩わせるなよ」
「しょうがない、それが藤野の仕事だ」
どうやら男性が連れている女性は藤野さんと言うらしく、倉木さんも知っているらしい。
「開き直るな、って。藤野さんもお疲れ」
「お疲れさまです。……社長、そろそろお時間です」
「お、そうか。デートを邪魔して悪かったな。じゃぁな」
凛とした声の女性とは対照的に、男性は明るい笑顔をこちらに送って、颯爽とこの場を去っていった。倉木さんはどっと項垂れている。
「はー、なんかごめん」
「いえ。お友達ですか? 私、どこかでお会いしたことがある気がするんですけれど」
素直に尋ねると、倉木さんはしばらく言葉を濁した。苦虫を噛み潰したような表情だ。
「そりゃ、あると思うよ。あいつは紀元京一(きもとけいいち)。数か月前に父親から社長の座を譲り受けたB.C. Building Inc.の新社長だよ」
人のいい笑みを浮かべて話しかけてくるが、倉木さんはどうも微妙な顔をしている。
「関係ないだろ」
「こっちが商談をまとめようと、必死で仕事をしてるというのに」
おどけた調子の男性の後ろで、女性は静かに待機していた。彼女もきっちりとスーツを着こなし、眼鏡をかけて落ち着いた雰囲気だ。
このふたりが仕事でここにいるのは明白だった。誰だろう、という疑問を浮かべながら、私は成り行きを見守る。
「それが、お前の仕事だろ。あんまり藤野さんの手を煩わせるなよ」
「しょうがない、それが藤野の仕事だ」
どうやら男性が連れている女性は藤野さんと言うらしく、倉木さんも知っているらしい。
「開き直るな、って。藤野さんもお疲れ」
「お疲れさまです。……社長、そろそろお時間です」
「お、そうか。デートを邪魔して悪かったな。じゃぁな」
凛とした声の女性とは対照的に、男性は明るい笑顔をこちらに送って、颯爽とこの場を去っていった。倉木さんはどっと項垂れている。
「はー、なんかごめん」
「いえ。お友達ですか? 私、どこかでお会いしたことがある気がするんですけれど」
素直に尋ねると、倉木さんはしばらく言葉を濁した。苦虫を噛み潰したような表情だ。
「そりゃ、あると思うよ。あいつは紀元京一(きもとけいいち)。数か月前に父親から社長の座を譲り受けたB.C. Building Inc.の新社長だよ」