俺様社長と極甘オフィス
「恒河沙は数の単位です。ほら、先ほど部屋で話題にしていた阿僧祇と同じ、そのひとつ下にあたるんですけれど。前一氏は鹿山さまや住友さまのお話にあった通り、数が好きだった。そして社長の仰った通り、ユーモア溢れる方だったんです」
「だからって、なんでエレベーターのパスワードが恒河沙なんだ」
「五十二階だからですよ」
社長の疑問に私は笑って答えた。
「屋上への入口のところに阿僧祇と書かれていたのは、おそらく住友さまの予想していたようなものではなく前一氏本人が告げたように、純粋な遊び心なんです。阿僧祇は十を五十六乗したものですから。そう、あそこは“五十五階建てのビルの屋上”です」
「まさか」
その発言でようやく社長も気づいた顔をした。なので私がその続きを受け取る。
「はい。そして恒河沙は十を“五十二乗”した数なんです」
少しだけ沈黙が流れる。それを破ったのは田中さんの感心したようなため息だった。それを受けて私は社長に問いかける。
「社長、とにかく五十二階へ向かわれますか?」
「……そうだな」
社長も長く息を吐いて、改めてエレベーターを見据えた。
「だからって、なんでエレベーターのパスワードが恒河沙なんだ」
「五十二階だからですよ」
社長の疑問に私は笑って答えた。
「屋上への入口のところに阿僧祇と書かれていたのは、おそらく住友さまの予想していたようなものではなく前一氏本人が告げたように、純粋な遊び心なんです。阿僧祇は十を五十六乗したものですから。そう、あそこは“五十五階建てのビルの屋上”です」
「まさか」
その発言でようやく社長も気づいた顔をした。なので私がその続きを受け取る。
「はい。そして恒河沙は十を“五十二乗”した数なんです」
少しだけ沈黙が流れる。それを破ったのは田中さんの感心したようなため息だった。それを受けて私は社長に問いかける。
「社長、とにかく五十二階へ向かわれますか?」
「……そうだな」
社長も長く息を吐いて、改めてエレベーターを見据えた。