先生に青春を取られたっていう話





”職員用の駐車場で先に待ってろ”


参った。


知らないじゃん・・・



また迷ったよ私・・




なんでこの高校はバカみたいに広いんだろうか。


「夜だし怖いな」



「櫻木発見。

また迷子になりやがって。」


「岡本・・」


「お前この学校知らなすぎるんだよ。

なんで俺のが詳しいんだよ」



「いや、教師だからでしょうが。バカ?」


「お前な〜・・

まあいいや。駐車場あっちだから付いて来な」


そう言いながら左ポケットから1本のタバコを取り出し吸いだした。


なんだろう。

かっこいい。



「こっちゃん〜〜〜


今、俺のこと”かっこいい”とか思ってんだろ〜〜


はは!なんてな〜〜〜」



「え!?

やっぱ、岡本って超能力者なの!?」


「え?」

はっ!


しまった!!!!

これじゃあ、岡本のことをかっこいいって言ってるようなものじゃん!!!

いや、実際思っちゃってたんだけどさ!!!


「たくっ!

お前は素直なんだかよくわからねーな?」


タバコをくわえながらくしゃっとした笑顔の岡本は

私の髪をグシャグシャにあらした


少し赤らめていた頬が可愛かった



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