先生に青春を取られたっていう話
そんなことがありながらも大量にの資料を刷り終え、俺は数学準備室に向かった。
戻ると、あのおじいちゃん教頭が言っていた通り、数学の先生は1人も居なかった。
ありがて〜、、
一通り荷物を整え終え、タバコを咥える。
今日は初日だから授業は無い。
鳴り響くチャイムは5時間目の授業を知らせる。
懐かしい。
蘇るのは、その・・高校時代に出会った1人の女。
忘れなくてはいけない女の姿が浮かぶ。
「あ〜あ。」
荒っぽく、灰皿に吸いかけの中途半端なタバコを強く押し当てた。
煙いこの教室も俺が好きなタバコの匂いで充満した。
準備室に備えてあったソファーは心地よかった。
静かと化した校舎が何より睡魔を襲う。
放課後まで寝ちゃえ。
と、ネクタイを解き俺は寝た。
櫻木が来る放課後まで。