先生に青春を取られたっていう話




放課後はあっという間に来た。

時刻は3時



5分前には6校時の終わりを知らせるチャイムが校内を響かせた。

次第に向かいの生徒たちの校舎からは、賑やかな声が聞こえる。


櫻木よ、早よう来い!!


たっぷりいじめてあげよう♩


タバコに火を付け窓際に目を傾ける。


グラウンドにはもう基礎練習のストレッチをし始めている野球部員や、陸上部員。

活気あふれている高校は懐かしさもやはり与える。


吹奏楽部のマウスピースの音も聞こえ始め、放課後に完全に化した。




うん。

櫻木はと言うと、まだ来ていない。



軽く、放課後に入って20分は過ぎたぞ!?

他の生徒はすでに部活動を始め、帰宅部はとっくに家路と向かった。



櫻木は・・来ない。

ちなみに俺はすでに3本目のタバコに手を出し始めている。

「遅いな・・・」


確かにこの学校の造りは複雑だ。

生徒の校舎から、ここまでは確かに距離はある。

でも、5分あれば来れる・・よな?




もしかして、あまり生徒はこの校舎を出入りしないのかもしれない。

迎えに行くべきか?

いや、呼び出しておいてそんなことしないよな・・?




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