冷徹ドクター 秘密の独占愛


瞬間、ドキッと鼓動が跳ねる。

医局に向かってやって来る律己先生に隣にいる森さんが「おはようございます」と言ったのを耳に、慌てて同じ挨拶をした。


「おはようございます」


受付けに近付いた律己先生からは、会釈と共にいつもと何ら変わりのない挨拶が返ってくる。

こちらを見たか見ないか程度の視線を向けると、そのまま医局へと入っていった。


やっぱり、色々と信じられない。

いつもと同じ診療室で、いつもと変わりない律己先生の姿。

昨日の夜の出来事は幻なんではないかと疑う自分がいた。


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