冷徹ドクター 秘密の独占愛
「今日は車で来てる。仕事が終わったら、下の駐車場で待ってる」
「え……」
「うちにいるために、必要なものを取りに帰った方がいいだろ?」
「あ……はいっ」
つい間の抜けた反応をしてしまった私に、律己先生は診療室では見せない優しい笑みを見せてくれる。
「十二時予約の患者、来院したみたいだったぞ」
そう言うと、私の頭をポンポンと二回撫でて先の技工室へと入っていった。
背後で律己先生が入って行ったドアが閉まると、ついにやけてしまう自分がいた。
慌てて頬を叩いて緩んだ顔を引き締める。
やっぱり、昨日のことは全て現実で、夢じゃなかったことを改めて再確認する。
本当に律己先生のところでお世話になるのかと思うと、その非現実感と共に次々と気掛かりや心配事が頭に浮かんだ。