冷徹ドクター 秘密の独占愛
「じゃあ気にすることない」
そう言って微笑まれ、どきりと心臓が大きな音を立てた。
トクトクと鼓動が速まっていく。
このドキドキは、微笑まれたからだけではない。
繋がれた手が熱を持って、どんどんと心拍を上げていく。
手汗をかいてしまいそうなほど緊張が高まり、思わず俯いていた。
律己先生はそんな私に構わず、やって来たエレベーターへと手を引いていく。
握られた手に、ほんの少しだけ力を入れてみた。
ゴツゴツと骨ばった男の人の手。
でも、この手が繊細な治療をして、患者さんの病を救っている。
私は、この手の凄さを尊敬している。
だから、私も少しでもその手助けをしたいと思っている。
少し握ってみた手を、律己先生は感じ取ったようにしっかりと握り返してくれた。
激しくドキドキしていた鼓動は、安らかな音へといつの間にか変わっていた。