冷徹ドクター 秘密の独占愛
部屋に帰ると、早速夕飯の準備に取り掛かった。
時短するため、中身のチキンライスは炊飯器で一気に作ることにし、玉ねぎや鶏肉を切っていく。
使わせてもらっているキッチンは、自分の一人暮らしをする部屋のキッチンと比べ、断然広くてとても作業しやすい。
自宅で料理をする時は作る順番や物を置くのも工夫しないといけないけど、ここは余計なことを考えずに調理が進められてストレスフリーだ。
律己先生は、帰ってから自室に入って仕事をしている。
今度、医療系出版社から出る、口腔外科の専門書から、権威あるドクター数名と連名で執筆を依頼されたらしく、その原稿を書かないといけないらしい。
何か手伝うとこっちのことを気に掛けてくれたけど、仕事を進めてもらうよう遠慮した。
炊飯器のチキンライスが炊けるまでのあいだ、キッチンを出てぼんやりとリビングを眺めていた。
その中で、テレビが掛けられた壁の近くにある飾り棚に、観葉植物の鉢と一緒に置かれたガラス製の置物が目に留まる。
アザラシ……?
近付いて見てみると、それは色々な仕草をしたアザラシが何種類か置かれていた。