冷徹ドクター 秘密の独占愛
「相変わらず冷たいよなー」
当然です。
あんたにニコニコするほど、私は心が広くはないからね。
「でも、こんなとこでも会っちゃうなんて、やっぱり千紗とは運命感じるわ」
この男は、こんな内容の話をどれだけの女子に囁いているのだろうか。
もう聞くに耐えなくて、総スルーをかます。
ここまで無神経だと、さすがに反吐が出そうだ。
「ここにも営業きてるんだ」
「ああ、担当圏内だからな。千紗は何で? 診療時間内なのに」
私の進行方向に向かって、一緒に歩いてくる慎。
目的地が同じだから仕方ないけど、できれば並んで歩きたくない。
「副院長に渡さなくちゃいけないものがあって、院長に頼まれて来ただけ」
「あー、副院長ね。さっき見かけたな」
「え、どこで?」
見かけたと言われて、思わず慎を見上げてしまう。
「口外のオペ室のあたりだったかな? あの女医さんと一緒だったよ、ほら、お前のとこにも何曜日かに来てる……えっと」
え……それって……。