冷徹ドクター 秘密の独占愛
「……田島先生?」
「あー、そうそう、田島先生! あの美人のな」
慎が“美人”なんて付けて言うと、下心があるようにしか聞こえない。
確かに美人には間違いないけど。
「田島先生もここに来てるんだ……」
フリーランスで色々な医院に協力しているとは耳にしていたけど、ここに来ているのは知らなかった。
しかも、律己先生と同じ日だったなんて偶然なのだろうか……?
「木曜日にここに営業くるとさ、あの二人、だいたい一緒にいるとこ見かけんだよなー」
「え……そうなの?」
無意識にドキンと心臓が不快な音を立てて鳴り響く。
その音を皮切りに、心地の悪い鼓動が全身を支配していくのを感じていた。
「あの雰囲気は、たぶん何かあるよな、絶対。できてんじゃねーの? あの二人」
他人が見てそう思えるような空気が二人に漂っているのかと思うと、慎の話に反応することもできなくなっていた。
黙る私に、慎は「聞いてる?」と問いかけてくる。
怪しまれないように「あ、うん」とだけ返した。
「っと……噂をすれば」