冷徹ドクター 秘密の独占愛
振り返ることなく廊下を進み、早く三人の視界から消えたいがために来た道と違う角を曲がっていく。
急に立ち去り、呼び止めにも応じなかったことがかなり不自然な行動だったと、今になって後悔していた。
何をしてるんだ、私は……。
あんな態度を取ったら、絶対変に思われたに違いないよ……。
でも、それを考える前に体が動いていた。
あの場から離れたいと、本能が勝手に働いてしまっていた。
咄嗟に進んできてしまった道だけど、この先から病院の外に出られるのかという疑問に今更気付く。
来た道を振り返って確認しようとした時、いつの間にか迫っていた足音にやっと気が付いた。
何で、そう思った瞬間には腕を掴まれていて、驚きと共に足が止まる。
でも、止まった足は引っ張られる力によって再び一歩を踏み出す。
「律己先生?! あのっ」
腕を引く力加減はどこか強引で、私の出した声には戸惑いが混じっていた。
無言のまま手を引き、廊下を突き進んでいく律己先生。
急なことに驚いている間に、通りがかった扉の向こうへと連れ込まれた。