冷徹ドクター 秘密の独占愛


「そんなこと言ったら、私の方が……」


律己先生と田島先生のことを気にして、あんなあからさまな嫌な態度を取ってしまった。

今日だって一日中、そのことにばかり囚われていた。


律己先生が“嫉妬深い”なんて口にして、自分のこの気持ちにハッとした。

単純に、嫌だと思った。

律己先生の隣に親しそうに存在する田島先生の姿も、気軽に律己先生に触れることも。

これは、田島先生に対しての私の黒い感情。

そう自覚してしまった。


「市ノ瀬さんが、言ってたんです……律己先生と、田島先生はいつ見ても一緒にいるって……お付き合いしてるんじゃないかって……だから、私……」


そこまで言うと、律己先生は私の顔を見るように体を離す。

目が合って、自分が涙ぐんでいることに気付いた。


「そんなこと言われたのか。検討違いもいいとこだな」

「え……?」

「アイツはただの同期だ。それ以上のことは今まで一度だってない」


きっぱりはっきりそう言うと、「それに」と律己先生は続ける。

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