冷徹ドクター 秘密の独占愛
「田島はもう結婚してる」
「……えっ、そうなんですか?」
「ああ。田島の姓は大学時代の先輩のものだ」
衝撃的事実に言葉が見当たらなかった。
まさか、田島先生がすでに人妻だったなんて考えもしなかった。
じゃあ、私のあれこれ広がっていた妄想は全部……。
「何だ……そう、だったんですか……私、てっきり……」
真実を知ると、ホッとして体の力が抜けそうになる。
律己先生はそんな私を支えると、軽々腕の中に抱き上げた。
その拍子に、手に持っていたバッグが床に落ちる。
「あのっ」
「てっきり?」
薄っすら口元に笑みを乗せて、律己先生は目の前の私を見つめる。
間近に迫った端整な顔に急激に鼓動が打ち始めるのを感じていた。
「え、だから、その、田島先生とお付き合いしてたのかな、とか、してるのかな、とか……あの、律己先生?!」