冷徹ドクター 秘密の独占愛


今日は帰り、下のスーパーに寄って行こうと思っていた。

ちょうど律己先生と帰宅時間が同じくらいなら、一緒に行って今日は何を作るか相談したい。


『わかった。じゃあエントランスのところで待っててくれ』

「はい、わかりました。お気を付けて」

『すぐ行く』


通話を終えた時、ビルのエントランス前にタクシーが到着する。

「こちらでよろしいですか?」と運転手さんが聞いた。

タクシーを降りると、さっきゴロゴロと雷が鳴っていた空から、ぼたぼたと大粒の雨が降ってきた。

小走りで自動ドアをくぐり、ガラス張りのエントランス内側から外を振り返る。

降り出した雨は、アスファルトを跳ね返るような水しぶきを上げ始めていた。

あっという間にゲリラ豪雨となった外の様子を横目に、エントランスホールの端に落ち着く。

誰の姿もないしんとした空間で、暇つぶしにスマホでも見ようとバッグに手を突っ込んだ時、自動ドアが開く音がした。

何となく視線を向けて、その先に見たものにハッと息を呑んでいた。

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