冷徹ドクター 秘密の独占愛
「あっ……」
現れたのは、小花柄のワンピースに白いロング白衣を羽織った田島先生だった。
長い髪を高い位置でポニーテールに結った田辺先生の表情はどこか険しい。
近付く距離に思わず立ち上がっていた。
「田島先生、どうして……」
「昨日オペした患者さんの経過観察で今日はたまたま当直。そしたら救急から連絡あって、律己が怪我したって聞いたから」
ドクっと心臓が痛む。
後ろめたい気持ちが押し寄せて、田島先生から目を逸らしていた。
「警察沙汰だって聞いた。あなたにつきまとってた患者でしょ?」
「えっ……」
どうしてそれを知っているのだろう。
顔を上げて田島先生を見て、動けなくなってしまう。
黙り込んだ私を、田島先生は表情一つ変えず真剣な顔で見つめた。
「律己から話は聞いた。捕まった患者のことも。律己があなたをかくまってることも」
「え……」