冷徹ドクター 秘密の独占愛


そして、翌日――。


昨日は事情聴取後、警察の方に独り暮らしをする住まいへと送り届けてもらった。

しばらく空けていた久しぶりの自分の部屋。

帰ってからは、しばらく身動きも取らずひたすらぼうっとしていた。

正確には、何も考えられる状態ではなかったんだと思う。

色々なことが一気に起こりすぎて、思考回路はショートしたようだった。

その空っぽの頭の中に、降ってきたように田島先生に言われた言葉が蘇った。


『彼のことを想うなら、これから先のこと、ちゃんと考えた方がいいと思う』


今度はその言葉に囚われ、一晩中考えていた。

律己先生を想うなら、自分はどうしたらいいのか。

その答えを探し続けていた。


診療が始まった、いつもは診療室にいる時間帯。

私は、面接をしてもらった応接室で、院長と奥さんと向かい合っていた。

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