冷徹ドクター 秘密の独占愛


「あはははー、そんな心配してくれてたんだ」

「しますよ! あんな感じで言われて、みんな辞めてったんですから」


ボリュームが上がってしまった声を落ち着かせるように、中田さんはジョッキを口にする。


「まぁ、ちょっと強烈だったけど、私が使えなくて怒ったんだから仕方ないって思ってるよ」

「いやでも、言い方ってもんがあるじゃないですか」

「それは……まぁね。出来ない人間はいらない、とか言われたし」

「うっそ! 有り得ない……。浅木さんが辞めたら自分が困るのに」

「それはどうだろうね? 特に支障ない気もするけど」

「そんなことないですから! 一番衛生士さん必要としてるの律己先生なんですから」


確かに、副院長の指示を受けることは圧倒的に多い。

幸い、あの制裁のあとに酷いお叱りはまだ受けてないけど、またいつ地雷を踏むかと思うとなるべく近付きたくないと思ってしまうのが正直なところ。


だけどあれから改心して、自分なりに勉強をし直していたりする。

久しぶりに学生時代の教科書やノートなんかを引っ張り出して復習しているけど、忘れてしまっていることが多すぎて、自分でも結構衝撃的だった。


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