冷徹ドクター 秘密の独占愛


「ありがとうございました。今、お茶を出しますので」


ひと段落した雰囲気を見て、娘さんがいそいそと立ち上がる。

この間初診でお邪魔した際にも、診療後わざわざ院長と私にお茶を用意してくれた。

あの日は少し世間話をしてから帰ったのだけど、副院長はすかさず「いえ」とキッチンに向かいかけた娘さんに振り返った。


「お構いなく。このあとの予約もあるので、これで失礼します」


やはり、そういう気遣いは遠慮する姿勢を即座に見せる。

片付けた荷物を手にし、串田さんに「お大事に」と言うと、私に「行くぞ」と声を掛けた。

さっさと動けと言わんばかりの目に、また慌ててリビングのドアを開けに走る。


「失礼します。お大事にしてください」


串田さんと娘さんへ一礼し、足早に玄関へと向かう副院長を追い掛けた。


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