冷徹ドクター 秘密の独占愛


「おいおい、今度は営業さんに目移りなわけ?」

「いや、誤解しないで! 律己先生には全然勝てないから」


チンと鳴ったレンジからお弁当を取り出しながら下村さんはハッキリキッパリと答える。

新キャラが登場しても、下村さん的そこの順位は変わらないらしい。


「でも、なかなかの爽やか系で悪くないですよね」

「爽やか系ね〜。まぁ、確かにそこは否定しないけど」


いやいやいや。

あれは営業スマイルですから騙されちゃダメ!

奴の正体は爽やか系とは程遠い、最低な奴なんだから。


「浅木さんはどう思います?」

「えっ、あっ!」


いきなり話を振られ、ちょうどバッグから取り出していたお茶の入ったマイボトルが手から滑り落ちてしまう。

ゴロゴロと転がったボトルはテーブルから落ち派手な音を立てた。

足元に転がってきたそれを森さんが拾い上げ、手渡してくれる。

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