冷徹ドクター 秘密の独占愛
お酒も進み、普段よりもつい飲み過ぎた私を、慎は自分の住むマンションがここから近いからと誘ってきた。
初対面ではないけど、プライベートでは初対面みたいなもの。
まさか初めて外で会ったその日に、のこのこ部屋に付いていくのはさすがにまずい。
それに、いい雰囲気といえ、明確に関係が進展したわけでもない。
酔っていても、常識的にそれはいかがなものかと、さすがに断った。
だけど、慎の押しは猛烈だった。
あれこれ上手いことを言われるうちに流され、結局部屋へと連れて行かれる羽目になった。
その後は、言うまでもない展開になり、部屋を出たのはすっかり日が昇ってからだった。
今思い返してみても、軽率な行いだったと反省している。
後になって後悔だってした。
付き合ってもいない男の部屋にホイホイ行ってしまう軽い女だと、きっと思われてしまった。
もしかしたらそんな私を知って、ちゃんと付き合いたいなんて思えなくなってしまったかもしれない。
そんな不安を抱かざる得なかった。