冷徹ドクター 秘密の独占愛
嫌な予感に苛まれ、自然と全身が硬直していく。
そうこうしているうちにパタンとアポ帳を閉じる音が聞こえきた。
近付いてくる足音に緊張が走る。
そもそも、昼休みに診療室のユニットで休んでいることが許されない気がして、ここにいること自体隠れたくなってしまう。
でも、今更動き出すわけにもいかず、そのまま硬直。
今はとにかく熟睡を装って、あとでどやされるのは仕方ない。
接近してくる気配に不自然な寝姿にならないよう、全神経を集中させる。
それにしても、意識すると寝ているフリは難しく、瞑っている目がピクピクしてくる。
痙攣してしまっているような目を必死に自然体に閉じながら、頭の上を副院長が通過していくのをじっと待った。