召喚魔法失敗しました!?



下唇を噛み締めたその時。


ふわっと香るその香りに思考が止まる。



『今までああやって一人でいたのか。こんなか細い体であ奴らと戦っていたのか』



イエスもノーの返答もできない。


すっぽりとウィリーの腕に包まれたこの状況で、冷静に応えられるわけもない。


あの優しい香りが私の鼻をくすぐる。



『もうお前は一人じゃない。俺がいる。俺が共に戦う』



微かに目頭が熱くなるのが分かる。


何なんだろう。


味わったことのない、心が暖かくなるこの感情は。


そっと撫でられた頭。


そのまま体の力をウィリーに預けたかった。


でもそれはダメだと頭の片隅にいる何かが制御する。




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