time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「店に戻ってくる気はないか?」
「えっ?」
浅葱以外の客にはつかないあたしは店の売り上げには殆ど貢献していなかったはず……
だから、店長にこんな言葉をかけられるなんて思ってもみなかった。
「浅葱様の存在は大きかったんだ。お前が辞めてからというもの、店には来なくなったし、支援のほうも途絶えてしまって……」
支援?
「どういうことですか?」
浅葱のことは深く知りたくはない。
でも、中途半端に話を聞いて、聞かなかった振りはできない。
「何も知らないのか?」
店長は驚いた表情であたしを見つめる。
「てっきり、お前が頼んだ事だと思ってたよ。」
だから、何のことだよ?
「浅葱様はお前を独り占めするために、店に寄付金を払ってくれていた。」
「寄付金?」
「あぁ。お前の給料を全額負担してくれていたんだ。」
「何それ……。」
なんだよそれ。
あたしが今まで働いたお金は全部あの男がくれていたということなのか?
もともと、すべて浅葱があたしの面倒を見てくれていたってこと?