ヒステリックラバー
◇◇◇◇◇
「戸田さん」
「……はい」
パソコンに向かう私の後ろから名を呼ばれて振り向くと武藤さんが立っていた。ぼーっとしていたせいで武藤さんが近づく気配に気がつかなかった。
「えっと……どうしました?」
エレベーターで会話して以来、武藤さんを自然と警戒するようになってしまった。近くに寄られただけでも緊張で体が硬直する。
「あの……」
武藤さんは手に箱を持ったまま何かを言いにくそうにしている。その様子に私は更に身構える。
「えっと……これ昨日出張した先のお土産なんですけど……」
「ああ、お帰りなさい」
「はい……ただいま……」
私の自然に出た「お帰りなさい」の言葉に武藤さんは顔を赤くした。自分で何気なく返事をした「ただいま」にも照れたように。
「それでこれはお土産です。1課の皆さんでどうぞ」
「わあ、ありがとうございます!」
武藤さんがおずおずと差し出した箱を受け取った。箱は大きいものと、その上に小さい箱が載っている。
「あの……小さいのは戸田さんに……」
「え……私にですか?」
「先日仕事をフォローしてくださったお礼です」
お土産は武藤さんが出張した先の県で有名なお土産だが、上に載る小さい方は去年スイーツコンクールで受賞したお菓子だ。特産品の卵を使用した焼き菓子は以前に食べたことがあり、受賞も納得の絶品だ。このお菓子は嬉しいのだけど、私にだけ別のお土産があるというのは増々戸惑う。
「戸田さん」
「……はい」
パソコンに向かう私の後ろから名を呼ばれて振り向くと武藤さんが立っていた。ぼーっとしていたせいで武藤さんが近づく気配に気がつかなかった。
「えっと……どうしました?」
エレベーターで会話して以来、武藤さんを自然と警戒するようになってしまった。近くに寄られただけでも緊張で体が硬直する。
「あの……」
武藤さんは手に箱を持ったまま何かを言いにくそうにしている。その様子に私は更に身構える。
「えっと……これ昨日出張した先のお土産なんですけど……」
「ああ、お帰りなさい」
「はい……ただいま……」
私の自然に出た「お帰りなさい」の言葉に武藤さんは顔を赤くした。自分で何気なく返事をした「ただいま」にも照れたように。
「それでこれはお土産です。1課の皆さんでどうぞ」
「わあ、ありがとうございます!」
武藤さんがおずおずと差し出した箱を受け取った。箱は大きいものと、その上に小さい箱が載っている。
「あの……小さいのは戸田さんに……」
「え……私にですか?」
「先日仕事をフォローしてくださったお礼です」
お土産は武藤さんが出張した先の県で有名なお土産だが、上に載る小さい方は去年スイーツコンクールで受賞したお菓子だ。特産品の卵を使用した焼き菓子は以前に食べたことがあり、受賞も納得の絶品だ。このお菓子は嬉しいのだけど、私にだけ別のお土産があるというのは増々戸惑う。