私に触れて、そして殺して


レンとの会話が唯一の救いだ
こんな部屋でひとりきりだったら
病んでいたかもしれない

でも、惑わされてはダメだ
レンも三吉さんも尋常じゃない



「サラ、髪がパサパサだ」


そしてレンも
用がなくても
この部屋にいる時間が増えていった



私の髪を手に取り自分の唇につけている
髪は女の命、なんて
古臭いな、と思っていたこともあった
こんな状況でも
やはり綺麗にしたいという気持ちがある


『ケア…したい』


ボソッと吐いた言葉を
レンは拾ってくれた


部屋を出ていったレンが
戻ってきた時に手にはポリ袋を持っていた
それはどこのドラッグストアにでも売っているメーカーの専用トリートメントだ

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