私に触れて、そして殺して
ふんふん、と鼻歌を歌いながら
私の髪にトリートメントを塗り込むレン
自分でケアをするつもりが
レンがやってくれている
もしかしたらレンは世話好きなのかもしれない
「これでいいかな、」
そう言いながら私から離れていく
レンは私に背を向け片付けをしている
私の足には手錠がない
今なら逃げられるかもしれない
シャワーの前にパイプ椅子に座っているだけ
走っていけば
ドアが開けられるかもしれない
そう思ったら足に力が入る
レンが振り返る前に…
いざ、チャンスが舞い込んでも
なかなか腰が上がらない
…っ、
「サラ、今日は何が食べたい?」
『えっ、…うん、何でもいい』
レンは振り向きもせず
私に話しかけて来た