私に触れて、そして殺して


「いいトコに住んでるね。自然いっぱいだ。でもまさか、あの男と一緒にいるとは思わなかったよ。サラを裏切った男…」


クククッと笑うレン
確かにレンの言う通りだ


『過去のことよ』


「そうかな?サラは本当にあいつの事、愛してるわけ?」



レンの言葉が胸に突き刺さる
愛していない、
その言葉が口から出そうになる



『話は、それだけ?』


どうにかしてレンを追い出したい
そう思うと
自然にハサミを握る手に力がこもる


「久しぶりに会えたのに、冷たいな」


少し拗ねたような顔をするレンから
視線を外さないように睨みつける
レンは椅子から立ち上がり
店のドアへと向かった


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