私に触れて、そして殺して


一度だけ、私に見せた涙
レンは覚えてないだろう

レンが私の元に毎日のように顔を見せていた時
レンと一緒に眠ることもあった

レンは泣いていた
ごめん、と寝言を言いながら
サラ、と小さな声で
唇を震わせながら…


あの時は私に対して謝罪しているのかと思っていたが、違ったのだろう
どんな過去があったにしても
夢で謝るなら
本人に直接謝ったほうがいい

レンに伝えたことで
何だか心が軽くなり、足取りも軽くなる


竹林が見えてきた
入っちゃダメだと言われたばかりだが
私は竹林へと足を踏み入れた


多分、いや絶対にいるという確信があった

小さい頃に竹林でよく遊んだ話を聞いた
昔話のかぐや姫がいるんじゃないか、と
光る竹を探したと言っていた

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