君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
喧嘩?

「シン」

「駄目ですよ。

それに、放っておいても大丈夫です。
血気盛んな男どもがバカやってるだけですから」

こういうこと、よくあるんだろうか?
シンは、慣れた様子であしらう。

「でも、怪我したら大変じゃない。
せっかくの祭りなんだから、楽しく怪我なく終わらないと。

ちょっと行ってくる」

「あーもう。
わかりましたよ。

俺が行くから、神楽弥は離れた場所で見ててください。
絶対に喧嘩の中に入ってきたりしないでください」

「わかった。
ありがとう」

言われた通り、人だかりの一番後ろの離れた場所から見てみる。
そこでは、大きな男性ふたりが殴り合いの喧嘩をしてる。

うちの客をとっただろって怒鳴ってるのが聞こえてきた。
お店のことで揉めてるらしい。
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