君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「驚いたとはいえ、ビンタはやりすぎたかなと。
ごめんなさい。

湿布もらったんで、貼っておいてください。

でもナツキ王子も悪いんですからね。
年頃の女性にあんなことして、どういう意味を持つかをしっかりわかっていただきたい」

そっぽを向いて話す姿を見て、こちらを向かせたくなった。

顎を掴んで強引に目を合わせる。

「どういう意味になる?」

「へ…?」

「だから、俺とお前のキスは、どういう意味になる?」

「キスっていうのは、ですね…。その…」

顔を赤くして、目を逸らして、なかなか答えない。

でも離してやらない。

「…、す、好きあってる人同士がするものですから…」

「だったら、お前が俺のものになればいい」

「なっ…。

またそんなこと言って。
からかわないでください!」

「どうしてだ。
俺が、第一王子じゃないからか?
リンタールの王子は、第一王子だもんな。

あの時…。
夕食会でだって、お前を利用してるんだろって聞いたら、そんなことしないって怒鳴ってたな。

他人の為に怒れるなんて、よっぽど自分に自信がないとできない」

言い終わって後悔した。
また変なことを口走った。

こいつにうちの王国の跡継ぎの話なんかしてどうなる。
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