君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「信じられないって顔してるね」

そりゃそうだ。
こんなの信じられるはずがない。
あまりに現実離れしてる。あり得ない。

まだ自分の目を疑うしかなくて、外へと飛び出した。

一歩地面を踏みしめて、思わず息を飲む。
ミュージカルの舞台のように切り取られた一部の世界じゃない。確かな世界がどこまでも広がっていた。

そして、絵に描いたような美しさ。
何もかもが、もとの場所じゃないことを全身に強く感じさせる。

だから最初の疑問に戻る。

…ここはどこ?
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