君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「すごい量…」

図書館には、天井までぎっしりと本が並べられている。
あー、本のにおいがする。

「図書館、来たかったんでしょ?
好きに見てくださいよ」

「うん。
ありがとう」

国王に城への出入りを認められたのは良かったけど、やっぱりリンタールについてもっと知っておくべきだ。

ずらりと並んだ背表紙を、指でつーっとなぞっていく。

あ、これ良さそう。
こっちも読んでおこうかな。

ぱらぱらと目を通す。

書いてあるのはリンタールの初代国王についてとか、領土についてとか。
まさしく歴史の勉強だ。

「…苦手だな」

そういえば、歴史の教科書には落書きばかりしてたっけ…。
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