音を紡ぐ
「・・・・・俺、有紗の声にすっごい惹かれた!!」
「えっ!あ、ありがとう!」
「有紗歌わないのなんか勿体ないよ!才能だと思うよ!」
才能。
そんなこと初めて言われた。
「斗季、まずは落ち着いて!今、結構目立ってるから。」
道の真ん中で見つめ合いながら話す私達はかなり目立っていた。
端に移動して、斗季に深呼吸するように言う。
今、話してみようかな。
私の夢。
誰にも言ったことないけど、やっぱり斗季には話してみようって思えた。
私も深呼吸して斗季の方を向く。
「あのね、急にであれなんだけど・・・・・私の夢を斗季に聞いて欲しいの。だから、聞いてもらっていいかな?」
そう言うと斗季は驚いた顔をしてうなづいた。