寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない


 本来なら結婚式を終えた翌日に新婚旅行に出発するのだが、それも会議が終わるまでお預けだ。
 テオはその事に納得しつつも、割り切れない想いで顔を歪めた。
 その時、ひとりの騎士が駆け付け、テオの前でひざまずいた。

「殿下、ランナケルド王家の馬車が参りました」
「そうか。いよいよだな」

 テオの唇がふっと緩む。
 カルロとふたり、そしてクラリーチェとともに進めてきた、叶うかどうかわからない夢のような計画が、ようやく実現するのだ。

「テオ殿下、いよいよですね」

 ラーラがワクワクしながら声を上げた。
 実の息子の結婚式の時以上に心が弾んでいる。
 テオもその声に負けないほどの柔らかな表情で城門を見つめた。
 それから間もなく、セレナたちを乗せた豪華な馬車が、王城に到着した。



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