寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
 その耳は赤く、声も上ずっている。
 ひたすら国民に笑顔を向け、歓声に応えているのは照れを隠すためだ。

「こちらこそ、末永く、かわいがってくださいませ」

 セレナはテオを見上げ、か細い声で呟いた。
 テオの赤い耳に勇気をもらい、愛される未来を信じてもいいかもしれないと、感じながら。


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