寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない



「どうしたんだ?」

 セレナの呟きに、テオが反応した。

「あ……その、お姉様が、いらっしゃるので驚いて」

 セレナは口ごもった。
 クラリーチェが元気なのは、ずっと想い合っていたに違いないカルロ王子との結婚が決まり、幸せだからだろう。
 腕に筋肉がついたり、足取りがしっかりしたのも同じ理由に違いない。
 クラリーチェのことを未だに好きだろうテオがそれを知れば悲しむと思い、その事には触れずにいようと決めた。

「お姉様は相変わらずキレイで……それに、ドレスも似合っているし、かわいいし……」

 セレナは明るい声で、ごまかした。

「セレナ?」
「なんでもないです。久しぶりにお姉様に会えてうれしいだけです」

 セレナの不自然な笑顔に、テオは首をかしげた。

「そうか。クラリーチェもセレナに会いたかっただろうし、あとで国王陛下と王妃様ともゆっくり話せばいい」
「……ありがとうございます」

 テオに頭を下げたセレナに、テオは眉を寄せた。

「なあ、結婚してから、というか、婚約してからずっとそうだよな。堅苦しいというか、他人行儀というか」

 拗ねた口ぶりのテオに、セレナは表情を変えることなく答えた。

「当然です。王太子様ですから、無礼は許されません」
「無礼って、大げさだな。婚約前は生意気で俺のことを王子とも思ってなかったのに」
「な、生意気、ってそんな事ない……ありません」

 セレナは、つい軽い口調で言い返しそうになるが、慌てて言い直した。


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