寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
式典は滞りなく終わり、王城での晩餐会が始まった。
水路が作られ、これまで以上の繁栄が見込まれるミノワスターは、周辺国からの更なる脅威となった。
領土の大きさはもちろん、優秀な騎士団をいくつも抱えるミノワスターにとって、唯一の弱点が、少ない水資源だった。
しかし、念願の水路が完成し、その懸念もある程度払拭された。
そうなれば、農業をはじめ産業の多くが恩恵を受け、さらに発展を遂げるはずだ。
農業が発展すれば、食糧の自給率が上がり国民の生活も潤うはずだ。
国民たちに大きな影響と変化を与えるだろう水路は、ミノワスターの将来を良い方向に変えただけでなく、周辺国との関係にも微妙な影響を与えた。
大国ミノワスターとの縁を求める国がこれまで以上に増え、多くの国がこぞって今日の式典に参列した。
その後の晩餐会は、テオとセレナの結婚を祝った時に並ぶほどの王族や貴族たちが招待され、会場は人で溢れかえっていた。
国王夫妻とともに出席者からの挨拶を受け、豪華な食事を済ませたセレナとテオは、その後始まった舞踏会で華麗なダンスを披露した。
子供の頃から体を動かしていたセレナの体は引き締まっていて、スタイルは抜群。
乗馬を続けているせいで姿勢も良く、優れた容姿を持つテオと踊る姿は注目を浴びた。
カルロと婚約していた時には、滅多に舞踏会に出席しなかったが、王太子妃となった今、あらゆる集まりに参加し、ミノワスターの顔としての役目を果たさなければならない。
結婚前に講師を城に招き、ダンスを教わっておいてよかったと、セレナはホッとしていた。
男勝りで勝気な王太子妃と言われていたセレナの印象は、軽やかなステップで優雅に踊る姿を披露した事によって、ガラリと変わった。
見た目麗しい王太子夫妻への注目は一気に高まったといえる。