寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
キスも、その先も、全部テオが初めてだ。
結婚してからほぼ毎晩テオに抱かれ、セレナの体はテオの手や唇から与えられる刺激に敏感に反応するようになった。
今も体の深い部分から何かがあふれ出し、疼いている。
「じゃあ、飲んでみるか」
セレナの体が熱くなっているのに気づかないテオは、グラスを微かに揺らし、ワインの香りを楽しんだ。
そして、ワインを口に含むと、グラスをサイドテーブルに置いた。
ぼんやりとその様子を眺めていたセレナの口を、テオの口がふさいだ。
「……んっ……んーん」
テオがセレナにワインを口移しで飲ませた。
驚き、思わず体を逸らそうとするセレナの後頭部を抑えたテオは、口に含んでいたワインをすべて注ぐと、そっと唇を離した。
「どうだ? 初めてのワインは、うまいだろ」
テオは色気のある表情でセレナを見つめた後、セレナの唇からこぼれ落ちるワインを舌で舐めとった。
「な、なにを……」
突然ワインを飲まされたセレナは、テオの舌が触れたところを慌てて手で抑えた。
セレナの頬が赤いのは、ワインのせいか、それともテオのせいか。
テオはセレナをそっと抱き上げ膝の上に乗せると、彼女の頭を自身の胸に乗せた。
「ランナケルドの習慣だそうだな。娘が生まれると、その年に作られたワインを三本用意する……」
テオが、セレナの体をふわりと抱いた。
「娘が初めて歩いた時に一本を空けて家族で祝い、娘が結婚した時にもう一本を空けて残った家族で祝う。そして残りの一本は、娘が母となった時、娘と孫の健康と幸せを祈って、娘に贈る」
「よくご存じですね。実際は、三本どころか十本以上のワインを用意して、お祝いのたびに家族で祝う事が多いんです」
テオの胸に体を預けたまま、セレナは呟いた。
初めて飲んだワインのせいか体が熱い。