寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
シャルル公爵の親バカが突出した想像は現実とかけ離れているのだが、そんな思考回路を見透かしている執事は、かわいそうな者を見るような目でシャルル公爵を見た。
「公爵様、早速ではございますが城に戻ってすぐにアリス様の結婚式の招待状の確認をお願いいたします」
「おお、そうだったな。サウス伯爵も呼んで、これからの事を話そう。さしあたってはテオ王太子殿下とセレナ妃殿下との親睦を深めてもらうよう言っておかねばな」
アリスを溺愛しながらも、家の繁栄のために早速娘婿を手駒として使おうとする狡猾さを隠そうともしていない。
テオとサウス伯爵の友情を利用して領土を発展させるには、まず何から始めればいいだろうか。
執事が苦笑しているのにも気づかず、シャルル公爵はあれこれ計画しながら、口元を緩めた。
その姿からはもう、セレナへの関心や敵対心は微塵も感じられない。
セレナからサウス伯爵に関心を移してもらおうという、テオの目論見通りの展開に、シャルル公爵が気づく事は、その後もなかった。