寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
 


 ミノワスターにはいくつかの騎士学校があるが、そのどれもが心身ともに優秀な騎士を育てることで有名だ。
 結婚前、ランナケルドの騎士たちとの鍛錬に励む事が多かったセレナは、ミノワスターの騎士学校にも興味を示すのではないかと危惧されていた。
 優秀であると評判の学校なら尚更、その意思は強いだろうと思われていたが、王太子妃が剣を振る事に難色を示す王族や貴族も多く、彼らはセレナには騎士との交流を控えてもらおうと考えていた。
 しかし、結婚後、セレナが自ら騎士たちとの鍛錬を希望する事はなかった。
 もちろん、体を動かす事が好きな彼女は王宮内でじっとしているわけではなく、庭の手入れを手伝ったり、調理人たちが育てている野菜や果物の収穫を一緒に楽しんだりしている。
 けれど、騎士学校に興味を示す事も、剣の練習に励もうとする事もない。

王太子妃としての公務を優先しているせいで、時間が取れないのかとテオは心配していた。

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