寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
そんな彼女がテオとアリスが一緒にいるのを見ただけで落ち込んでいるなんて。
優れた王女様も、やはり恋に悩む普通の女性なんだ……守ってあげたい。
生来の姉御肌の気質がむくむくと顔を出し、ソフィアは身を乗り出した。
「大丈夫ですよ。テオ殿下にはもう、セレナ様しかいないんです。何人もの女性がテオ殿下の気持ちを得ようと無駄な努力をしましたが、無理だったんです。まあ、アリスがいたのも大きいですけど、それは見せかけだけのもの。セレナ様との結婚が決まってからは一切ふたりで会われる事はなかったと聞いてますし、セレナ様一筋ですよ。カルロ様とクラリーチェ様よりも早く結婚式を挙げたいといって強引に準備を進めていたのは笑えるくらいでしたし」
ソフィアはそこまで話すと、思い出したようにニヤリと笑った。
「セレナ様がミノワスターに早くなじめるようにどうにかしてくれと私に頼み込んできただけでなく、王宮内でセレナ様が少しでもいじめられるような事があったらすぐに教えろってうるさいったらなかったですし」
「いじめられるって……王宮内でそんなことまったくないのに」
「ですよねー。王妃様はじめみんないい人ばかりが集められてますからね。テオ殿下はセレナ様の事となるとまともに考えられなくなるみたいですね。ふふ。愛されてますねー」
セレナの気持ちを盛り上げようとそう言って、ソフィアは目を細めた。
口調は軽いが、ソフィアが口にした事は嘘ではない。
それどころか無事にセレナと結婚できるようカルロから公務の詳細を真剣に学び、国内でピカイチの腕前だというウェディングドレスの仕立人のスケジュールを長期にわたり抑えたり。
王族や貴族たちにセレナの魅力を直接伝えたりしていた。