寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
ソフィアの声に視線を動かせば、ちょうどテオが庭の奥から戻ってきた。
日差しを浴びたせいか頬が上気している。
セレナの後ろに立つと、セレナの頭の上に頬を乗せ、両手をセレナの首に回した。
「キレイな花がたくさん咲いてた」
「あ、あの……」
「新種の花もあるらしいし、一緒に見に行くか? 王宮で株分けできるものもあるらしいから、セレナが気に入った花を分けてもらおう」
テオの手が、膝の上に置かれたセレナの手をぎゅっと握った。
高めの体温をじかに感じて、セレナの頬も熱くなった。
そんなセレナにかまうことなくテオはさらにきつく彼女を抱きしめて、大きく息を吸った。
「ふたりでゆっくりできるっていいな」
テオの口からぽつりと出た言葉に、ソフィアは目を見開いた。
「ふたりって……私がここにいるのが目に入らないのかしら」
テオに聞こえないソフィアの小さな呟きは、セレナの耳には届いたようで、彼女は恥ずかしげ俯いた。
「ソフィアが王族から離れた時は、それまで散々贅沢をしてきたのに大丈夫かと心配したけどさ、いい結婚をしたよな。この屋敷に来るたび羨ましくなるよ」
心底そう思っているテオの声に、セレナも小さく頷いた。
ソフィアの生き生きとした様子は今日初めて見たものではないが、会うたびその幸せな姿を羨ましく思う。