寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
「愛する男を追いかけて強引に結婚したんだもんな。それも王家の力を散々ちらつかせて断られないように根回しまでして。ほんと、あっぱれだったよな」
「あっぱれって簡単に言うけど、好きな人を手に入れるにはかなりの覚悟も必要だったんだけど? お褒めの言葉として受け取っておきます」
「ああ、褒めてるんだよ。ソフィアの姿を見て、俺もカルロも勇気をもらっていたんだから……」
そう言いながら、テオはハッとしたように口を閉じた。
セレナにその表情は見えていないが、テオは視線を下に向けてセレナの様子を探った。
セレナはテオに背後から抱きしめられたままの状態に、耳まで真っ赤になっていた。
テオはその姿を見ながら、このまま王宮に戻ることなくふたりでのんびりと過ごしていたいと強く思った。
結婚して一か月が過ぎ、ようやくふたりで過ごせるまとまった時間が取れた。
セレナがどうしてランナケルドを訪ねることを嫌がったのか不思議に思っていたが、こうしてソフィアの屋敷で過ごすのも悪くない。
もう少し長い休みを取れれば遠出もできただろうが、これはこれで良かったと、テオは思った。
どこで過ごすとしても、結局、テオはセレナが側にいればそれでいいのだから。
長い時間をかけて妻にした、愛するセレナを抱きしめながら目を閉じ、テオは緩む頬をどうすることもできなかった。
「……だから私がここにいるっていうのに、いちゃついちゃって。あーあ、こっちが照れちゃうわ」
ソフィアの呆れた声に、セレナは恥ずかしくて顔を上げられなかった。