寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない



 広い国土を持つミノワスターは五つの領土にわかれているが、それぞれに学校を設置し、子供達を教育している。
 それとは別に騎士学校も複数あるのだが、入学基準はかなり厳しい。
 各学校の成績優秀者の中から希望者を集めて体力テストを行い、合格率は一割程度だ。
 騎士学校を含めた各学校の学校長たちが半年に一度王城に集まり、国王との懇談の場が設けられる。
 そこでは学校ごとの問題の解決を図ったり、将来王城での執務に就くにふさわしい人材の推薦など、あらゆる事を話し合う。

 その場に集まった学校長たちは、国王の代理として現れたテオに驚き、不安を抱いた。
 カルロに代わって王太子となったばかりというだけでなく、これまで政務に真面目に取り組んだことのないテオに会議を仕切れるのかとバカにした者も少なからずいた。
 学校長から提出された資料に目を通すテオに「もう少しわかりやすい言葉でまとめた資料を用意した方がよかったですね。ランナケルドに行かれるばかりでミノワスターの内情には見向きもしなかったテオ殿下には理解できない事ばかりでしょう」と嫌味を言う者もいたほどだ。
 あからさまに厳しい言葉を口に出さない者であっても、テオに対して懐疑的な目を向けていた。
 これまでカルロが取り仕切って問題なく学校運営を進めていたのだ、次期王としての実力はないと思われているテオをすぐに信用できるわけはない。
 しかし、テオはその事を承知していた。
 この場に限らず、自分に向けられる厳しい視線や反発は覚悟のうえだ。
 懐疑的な視線は努力と結果で跳ね返そうと決めている。


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