寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない

 三人の様子をおかしいと思いながらも、どこがどうおかしいのかわからない。
 何か重要なことを、セレナに隠しているのではないかと、彼女は眉を寄せた。
 今までになく体調がよさそうな、というより別人のように明るく健康そうなクラリーチェは特におかしい。
 そして、ミノワスターの王子ふたり、彼らの様子もおかしい。
 何が? どこが? どうおかしいんだろうと、セレナは混乱する。
 心に浮かぶ疑問に気を取られていると。

「あ、カルロ殿下、私に隠れてパンをこっそり食べないでくださいね」

 子供のように拗ねた表情で、クラリーチェがカルロに甘えていた。
 さっきまでのしっかりものの姉という雰囲気は消え去り、いつもの甘えたの王女様に戻っていた。
 我慢を強いられてきた次期女王。
 妹であるセレナにさえ見せたことのない甘える様子を見せられて、セレナの心は大きく揺れた。
 クラリーチェのいきいきとした笑顔からは、カルロへの恋心が露わで、いったい、どうすることが正解なのだろうかとセレナにはわからない。
 クラリーチェは昔から、ことあるごとに国王から叱られているセレナをかばった。
 自分の代わりに外で楽しんできてと言って笑ったり、叱られて泣き続けるセレナに大切にしている本をあげたり。かわいがってくれた。
 その一方で、女王になるべき自分が病弱であることを悩んでいた。

『セレナの方が、女王にふさわしいのに』

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