寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない


 体調が良ければ庭でお茶を飲んで過ごしたり、庭園を散歩する事もあったが、クラリーチェの世界は狭いままだった。
 唯一、王室主催の晩さん会には無理をして出席しているが、王が乾杯の声をあげればすぐに部屋に引き上げ、おいしい料理を楽しんだり、周辺国の王族や貴族らと会話を楽しむ事は、ほぼなかった。
 体調が良ければ一曲程度ダンスを披露したが、ここ数年はそれもなくなっている。
 体が弱い事を「平気平気」と言って笑い飛ばすクラリーチェのを、セレナはいつも気にかけている。
 いずれ彼女が女王となる事を不安に思い、反対の意見を口にする貴族の存在も知っている。
 だからこそ、クラリーチェが心配なのだ。
 子供の頃は、姉に代わって自分が女王になろうと思っていたが、法で決められているものを簡単に変える事はできない。
 いずれ近いうちにクラリーチェはランナケルドの女王となり、セレナはミノワスターの王妃となる。

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