寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
「キレイに洗ってもらったのね。今日はお父様に叱られていたから、お世話できなくてごめんね」
セレナは小さくため息を吐いた。
さっき、セレナと長く話していたせいで、クラリーチェは夕食が食べられないほど疲れたらしい。
体調を整えるお茶を飲んだだけで、夕食は何も口にしなかったらしいが、その事でセレナが叱られたのだ。
しばらくの間、必要以上にクラリーチェの部屋には行かないようにと言われ、セレナは渋々頷いた。
夕方、テオとカルロとともに過ごしていた時、あれほど顔色がよく、アメリアのパンもぱくぱく食べていたというのに、どうしたのだろうかとセレナは不思議に思っている。
カルロが言っていたように、しばらくぶりにたくさん食べて体調を崩したのかもしれない。
セレナはカルロとクラリーチェの様子を再び思い出して、さらに寂しくなった。
両親が自分を二の次に考えている事には慣れているが、カルロもやはり、クラリーチェが好きなのだと思えば複雑だ
セレナはカルロに恋しているわけではないが、自分よりもクラリーチェを愛しているだろうカルロの姿を目の当たりにすれば気持ちは揺れる。
それに、テオもクラリーチェを大切に想っているのは明らかで、セレナがカルロとクラリーチェの仲の良い様子に切なげな瞳を向ける事も多い。
「私は、どこにいればいいのかな」
セレナはベスの引き締まった腹に頬ずりしながらぎゅっと目を閉じた。