姫様と魔法のキス
レゼにも支度をして貰い、いよいよ婚約パーティーに挑む。
各国の王族や貴族たちも集まっており、本当に婚約をするのだということが急に現実味を帯びてニカを襲った。
「出来るだけ私の近くにいて欲しいのだけれど、もしそれが叶わなかった時は自由にしていてくれて構わないわ」
「わかった」
レゼが頷いたのを確認して、ニカは会場の扉の前に立つ。
後ろにトミーやブラウ、そしてレゼを従え、コンコンと小さく2回ノックをした。
扉が開けば、盛大な音楽と共に沢山の拍手を貰う。
誘導を受け、少しだけ高い場所に造られている席につけば、既に隣には父王やアロガンが座っていた。
「ニカ、今日はまた一段と美しい」
「ありがとう、アロガン」
ニカの手を取って口付けるアロガンに、ニカは平然を装う。
父王や第1王子であるエンガンはその2人のやりとりを微笑ましそうに眺めていた。
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